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冗談好きな執事さん語録
以下は、ティーロの発言の数々のうち、私の中の何かにヒットした一部をメモしたものです。
個人的な覚え書きのため、句読点の挿入、誤字訂正、他にも多少不正確な部分があるかもしれません。
が和さん。がティーロの発言です。

執事さんと愉快犯な中の人

【キーワード:アルの母】
「あの…アルのお母さんってどんな方だったんですか?」
「………」
「おきれいな方でしたよ。とてもお優しく穏やかで、まさに聖母のようでした」
「聖母…」
「虫も殺せぬような、とは、ああいう方のことでしょう」
「…そうですか」

【キーワード:さまよう女の霊】
「あの…この城に出るって言う女の人の幽霊のことで…」
「………」
「哀れな女性ですね。今も城の中をさまよい続けているとは…」
「可哀想ですね…」
「…ええ、とても。彼女が息子を探し当てることはないでしょうから…」
「………」
 未だに見つかってないんだもんな、幽閉された少年って。本当にいるのかな…。


「………」のあとにふっと浮かぶ嘲笑が怖すぎる……!
でも、何も知らずに見れば、ただ切ない微笑みに見えてしまうのもすごいと思います。
ティーロの微笑みって、ひとみはそのままに開いた口もとだけ、じっと見ていないとわからない程度に緩める笑い方のほうは間違いなくティーロ自身のものなんだけれど、目を細めて結んだくちびるの端をつり上げる笑い方は、時々あくまさんですよね、これ。
悪魔が出張ってくるキーワードはけっこうありますが、一番入れ替わりがあざやかだったのは、これかな、というわけでもうひとつ。


【キーワード:礼拝堂】
「この城の礼拝堂って、なんで一番地下にあるんですか?」
「わかりません。この城を建てられた初代伯爵が何故かそうされたのだ、としか」
「…やっぱり、その、伝承の通り黒魔術とかそういう怖い理由が…」
-------あくまさんのターン-------
「………」
「その可能性はございますね」
「そうなんですかっ!? や、やっぱり…」
「言い伝えの通り初代が黒魔術師であったなら、あの礼拝堂は当然見た目通りの物ではないのでしょう。
 だから地下深くに埋めた。祈りを捧げる相手が神ではないことを隠すために…」
-------あくまさんのターン終------
「わかりましたっ! ごめんなさい、もういいですっ!!」
「………」
「…何をそんなに慌てておいでなのです?」
「だ、だって怖いですよ…」
「…? 礼拝堂が城の一番地下にあることがですか?」
「え…ええ…」
「ご心配なく。地下にあるという事以外は特に変わった事はございません」
「はあ…」



執事さんの冗談三連発

【キーワード:超常現象研究協会】
「超常現象研究協会ってご存じですか?」
「確かアラスカに本部があるUFOを呼ぶ研究をしている秘密組織ですね。
 我が国にも最近支部を設立しようと企んでいるとか」
「そうなんですか!?」
「冗談です」
「………」
「教授の口から名前だけは聞いたことがありますが、どういった組織かは存じません」
「そ、そうですか…」
 わかりにくいよ、執事さんの冗談…

【キーワード:UFO】
「UFOって信じますか?」
「そうですね…ルロイ家の本邸上空では時々謎の飛行物体が目撃されるのですが」
「えっ!? ほ、本当ですか?」
「冗談です」
「………」
「宇宙のどこかに知的生命体が存在している可能性はあるとは思いますが…
 すでに地球に飛来していてアメリカに研究されているというのは眉唾だと思います」
「そ、そうですか…」

【キーワード:制御室】
「あのー、制御室なんですけど…」
「はい、あの部屋が何か?」
「この城のセキュリティって全部あの部屋で管理されてるんですよね?」
「左様でございます。電気系統の管理などもあちらで行われておりますので…
 みだりに触れないようよろしくお願いいたします」
「あ、はい。おかしな挙動させちゃったらまずいですもんね」
「はい、セキュリティが働き警告音が鳴り、床が抜けてトラップが作動します」
「そうなんですか!?」
「冗談です」
「………」
「ですが警告音までは事実です。城中の方が驚かれますのでご注意を」
「わ…わかりました…」

毎回毎回律儀に一瞬本気にする和さんもどうかと思います!
きっとティーロも無表情に喜んでるよ!



執事さんの趣味と嗜好

【キーワード:みそ汁】
「みそ汁ってお好きですか?」
「ええ、とても。いただくのも好きですが作るのも好きです」
「あぁ、執事さん料理上手ですもんね」
「おそれいります」
「みそ汁という料理は具に何を入れるのかどの味噌で味わうのがよいのかと…
 単純なようでいていろいろと奥が深いものです」
 …日織と話が合いそうだ。

ティーロがはっきり「好きだ」と言ったのが意外だったというか。
彼にも自分個人の好き嫌いがあるんですよね、当たり前だけれど。
その当たり前が嬉しい……。


【キーワード:パソコン】
「執事さんはパソコンには詳しいんですか?」
「専門家ではございませんので詳しいというほどでもありませんが…
 職務上、覚えなければなりませんでしたので一通りの勉強はしました」
「大変なんですね」
「慣れてしまえばなかなか楽しいものでしたので、そう大変でもございませんよ」
「そうなんですか? 僕なんかまださっぱりわかってなくて…」
「我が君もいまひとつ気が進まれませんようで似たような事をおっしゃいますね。
 どうにもキーボードに慣れませんようで…」
「あ、僕もです。字を打つのが遅いからなかなか思うように進まなくて」
「そればかりは慣れるしかございませんね」
「そうですよね…」

執事業はもちろん、料理に乗馬、車の運転、語学と数々の方面でプロレベルの多才ぶりを発揮しているティーロですが、それらの技能の習得を、けっこう彼個人は楽しみながらやってたんだろな、と。
蛇足にて。この会話を初めて聞いた時、クリア後、不得手なキーボードをぽちぽち打ちながらティーロへのメールを書く和さん……! とか思わず想像したんですけど……けど……


【キーワード:森】
「この辺って森が多いんですね」
「そうですね。日本の山々で見る森ともまた雰囲気が違いますでしょう」
「ええ、全然違います。なんていうか、こっちの方が濃ゆいっていうか…」
「生えている植物の違いでしょうね。日本の方には重々しく感じられるようです。
 私などは逆に日本の山深いところへ行くと非常に張りつめた印象を受けます」
「張りつめた、ですか?」
「空気が鋭く薄く感じるのです。酸素が少ないという意味ではなく、鋭利な刃物のような印象です」
「へえ…」
 全然違う印象を持つものなんだなあ。

何気ない会話なんですけど、ティーロが生きてくるうちに得た彼自身の感性、という感じで。
ともすれば感情の動きが希薄に見えてしまうティーロだけれど、十年以上の歳月をかけて彼という一個の自己を形作ってきたんだと思えて、印象深い会話でした。



執事さんの過保護な育児

【執事部屋の日記を調べる】
「…あぁ、それは伯爵が幼い頃の私の日記です」
「アルの小さい頃のですか?」
「ええ、我が君はお小さい頃からそれはそれは聡明でいらしたので、日々、ご成長を記録しておりました。
 たとえば12ページ目には、文字を習い始めた日の事を書き記しておりますが…」
(えーと…)
「ご自分の名前を何度も楽しそうに紙に書かれ…」
(ふ、触れない方がいいものだったみたいだ…)
 そのまま延々とアルはペンの持ち方が上手だとか姿勢がいいとかすぐに字がきれいになったとかいう話を聞かされる。
「…と、いうような事を今日までずっと記録しておりまして」
「わかりました! あ、ありがとうございます…」
 よかった、話が終わって…。このまま19歳の今に至るまで語られるかと思った…。


>再度日記に触れると
(これには触れるな… 触れると大変な事になる)

物品ファイル:日記帳
執事さんの部屋の棚にあった 内容は自分で調べて訳した
執事さんの育児日記だ どう見ても親ばかな内容だ

和さん、わざわざアレを日本語に訳したのか!(笑)
他人が自分の日記を勝手にパラ見しているのに、嬉々として内容を説明しだすティーロもどうですか。
本気でアルのことしか書いてないな、これは……。


ハユツクに【キーワード:ティーロの失踪】
「案ずることはない。あの者の身に何かあればその霊魂は間違いなく伯爵のもとへ来るであろう。
 しかし、今のところ伯爵の後ろにそれらしいのはおらん」

 …確かに死んでも仕えそうな人ではあるけど。ものすごい判断基準だ…。

洒落になりません。なりませんが、どうなるんでしょう、これ……?


【千絵子さんの晩ご飯焦がしちゃったよ事件:前半】
執事アル先生三笠

「失礼致します…」
 いつになく苦悩するような表情で執事さんが戻ってきた。
「どうだい、食事は?」
「スープが焦げ臭くなってしまいまして…」
「食べられるの?」
「食卓にお出しするくらいなら遺書を書かせていただきます」
「それは困るから出さなくていいよ」

遺書発言、これ冗談じゃないですよね!
ティーロの真剣な苦悩をあっさり受け流すアルが素敵です。


【千絵子さんの晩ご飯焦がしちゃったよ事件:後半】
(その後、インスタントスープを使う成り行きで)

「僕もそれでかまわないよ」
「…仰せの通りに…」
「たまにはいいじゃないか。あれ、けっこういけるよ」
「伯爵!? いつお召し上がりになったのですか!」
「…あ」
「私はお出しした覚えはございませんが!?」
「うん、そりゃそうだろうね」
「誰の仕業ですか! チエコですか!?」
「僕が飲んでみたいって言ったんだよ、そんなに怒らないでくれよ」
「あれはあくまで非常食です! 伯爵が普段お召し上がりになるようなものでは…」
「ごめんごめん。わかったから落ちついて。ほら、行こうよ。もう食べられるだろう?」
「お待ち下さい伯爵! 伯爵っ!!」
「…過保護ねえ」
「間違っても行方不明になったのがアルノルトじゃなくてよかったな。
 あの様子じゃ城を地下から掘り返して解体しかねん」



もはやこれはネタの域ではないかというほどのティーロの度を超した忠誠心は、「弟が怖い目に遭っているのに、おびえて何もしてあげられなかった」というティルの罪悪感が、ティーロという人格を方向付けたからだ、と思うのですが……。
始まりがどうであれ、アルの最後の命令がティーロに届き、彼には御すことが叶わないはずの別人格さえも払いのけたのは、彼がアルに抱いた忠誠と愛情が本物だったからこそだ、とも思うのです。



執事さんの生まれた頃

クレア先生に【キーワード:子どもの頃】
「執事さんって子どもの頃からあんな風に真面目だったんですか?」
「ええ、真面目だったわよ。
 さすがにまだティルって呼ばれてた頃は子どもっぽいところもあったけど」
「ティル?」
「子どもの頃はそう呼ばれてたの。あの頃はまだティーロの方もアルの事を名前で呼んでたし。
 …頑ななほど真面目になったのはやっぱりお母様が亡くなってからかしら」
「………」
「急いで大人になろうとしてるのが見ていてわかったから少し寂しかったわ…」
「…そうですか…」

ティーロも始めから「何もかも完璧にこなす執事」として現れたわけではなく、一刻も早く大人になろうとして必死に努力してきた一人の人間としての過程がそこにはあって、そうやって懸命に生きてきた彼自身の人生はどうやっても終わってしまうという結末が、なおさらやり切れないな、と……。



番外1:ミス・テンション・ブレイカーと執事さん

その1
(クレア失踪時の行動を問われて)
「それに今日は洗剤ぶちまけちゃったから余計な時間もかかってますよ!」
「…何をどうしたですって…?」
「ああっ!? ちゃんときれいに隠滅…いえ、始末しましたよ!!」
「えーと、まあ… 事前にチエコの行動を知ることは不可能だったわけだね」

その2
(アルの脅しで倒れたネリーの後)
「チエコ、伯爵に向かって駄目でしょうとは…」
「あああ、すみません王子!」
「伯爵だと何度教えれば覚えるんだ、君は?」

その3
(ぼんやりしているネリーに)
「ほるすと・どぅー・みぁー・つー?」
「………」
「あれー? ドイツ語も通じないー」
「ドイツ語だったのか…」
「え? 発音いまいちでした?」
「いまいちどころじゃない」

その4
(食欲がなくて食事を摂っていなかった和さんに)
「なにしてんの和ちゃん! あかんやん、そんなん!!」
「…チエコ…」
「はうっ!? た、食べたほうがよろしいのではないかと思います、一柳様!」
「いや、あの、気にしなくていいから」
「一柳様…」


最後、ティーロは和さんにも脱力しているに違いない。
アルバム4ページ目の、制御室で千絵子を問い詰めるティーロのスチルにやられまくった私です。
ちっちゃい千絵子と並ぶと、細身な印象の強いティーロの肩幅が、普段の五割増くらい広く見える!
対千絵子の、彼の地に近いだろう口調にもものすごい勢いでときめきますよ!



番外2:執事さんと和さん

【キーワード:ベルケ・ホール】
「ベルケ・ホールってこの国にあるんですか?」
「我が国でもっとも歴史ある音楽堂です。古い建物ですが今でも立派ですよ」
「そうなんですか」
「一柳様も今度は普通に観光でいらしてください。ご案内致します」
「あ、はい。ありがとうございます」

……叶わない約束は、切ないです。



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