■ 後書きという名の言い訳


まず、始めに。
この文章には、ゲーム内の設定(であろうと思われるもの)と故意に乖離させている部分が一つあります。
ちなみに、私の知る限りでは唯一その設定を推測できるイベント、クレアルートもしくは三笠ルート終盤での某GAME OVERを克明に記憶しておられて、本作中の展開に「???」となってしまった方には、ご慧眼への賛辞と、心よりのお詫びを申しあげます。
言ってしまうと、利き手のことなのですが。
(以下真相ルートネタバレにつき反転)ティーロ・悪魔・母は左利き。ティルのみが右利き、という設定であろうと思われます。悪魔については、左手で和さんを気絶させるシーンがありました。手刀で人を気絶させる場合、叩く場所が重要で力はさして必要ないとの話であるので、たまたま左手が届きやすい立ち位置だったから、という可能性もゼロではありませんが……。

ところで、私が最初にクリアしたのはティーロルートだったのですが、正直、最後まで犯人が誰かわからないままでした。
玄関ホールの施錠も気になってはいたものの、マスターキーは別にしても、普通に数本存在する、もしくはメイド組かアルノルトなら簡単に持ち出せたのかな、と。

クレア&三笠ルートならば、「隠し通路の時計を動かすことが可能で、三笠さんを運ぶだけの膂力のある男性」+「母の幽霊の扮装ができる体格の人物」という絞りこみができます。アルルートであれば、プレイヤー自身は犯人を知っている上に、ヒントは更にぼろぼろ与えられています。
では、ティーロルートで与えられている情報のみを使って犯人を特定することは本当にできるのか!という問題への挑戦でした。
まずは、死亡者4名の場合。被害者は容疑から外します。残るのは、日織・アル・ティーロ・千絵子・三笠・ジョージの5名。ザック・ネリーに争ったあとがないことから、死人扱い、もしくは失踪者であったジョージ・日織(+ハユツク)を、クレアの見立て(背の高い成人女性宙吊り)から千絵子を外します。三笠さんは玄関ホールの鍵が入手不可。残るのはアルとティーロですが、うーん……これ以上絞るのは厳しいかも知れない。人物評を加えてもいいのなら、アルが殺人を犯していたならティーロが気づいて止めないはずは……ってそれ推理じゃないし!
死亡者0名であれば、狂言発覚時、クレア先生から『本当の』母の幽霊の存在についての証言が取れます。これで、共犯がいないという前提であればかなり絞りこめますね。後は、本文で和さんが推理した通り。

最後に、蛇足ながら。
「不存在の証明」は、その立証の困難性から、比喩表現として「悪魔の証明」とも呼ばれます。
で、「悪魔の証明」についてググっていたら、これを使った詭弁の例として挙げられていた一文に、こんなものが。
『霊が存在しないという証拠は無い。ゆえに、霊は存在する。』
ちょ! 教授!!
そして、これをもう一段階展開すると、『霊が存在するならば、サンタクロースも存在する』になるわけですね、わかります。



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