14. 素直になれない 「ねえフェア、貴方が教えてくれたのよ。本当に叶えたい願いなら、ちょっと拒絶されたくらいであきらめるなって。なりふりかまわず必死になって、しがみつかなくちゃだめだって」 鈴を振るような声で、そのひとみいっぱいに涙をためて、少女はわたしを見あげた。 「私はギアンにそうするべきだったの。でも、間に合わなかった。お願いだから、フェア、貴方は私と同じ間違いをしないで」 わたしは笑って首を振る。 「ごめんね、エニシア。拒絶されるのが怖いんじゃない。あの人の願いを邪魔しない、それがわたしの願いなの」 ただの強がりだって、誰に笑われたってかまやしない。 わたしはきっと、それを本当にしてみせるから。 |