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サモンナイト4プレイ記
最初に、お断りをば。
このプレイ記は、以前に雑記の方で書き綴っていた文章をほぼそのまま転記したものです。
最終話までは書けていないんですが、そこはご愛敬で! いつかまた思いたったなら、16話以降の追記をするかもしれません。

第1〜3話

主人公はフェア。竜の子はリュームで始めてみました!
流れ星を拾うところから、追いかけてきた天使との遭遇まで。
今のところ、私から見たフェアは、自分の選択にともなうリスクを幼いなりに考えて、覚悟した上で、自分のなかの羅針盤が正しいと示す道を選び取っている、心根のまっすぐなこども、という印象。
すでに大人と呼ばれる年頃になった私としては、そんなこどもたちの気持ちを大事にしたいからと、彼らの望むようにさせることによって生じる問題の責任を、その力のおよぶ限り自分たちが引き受ける覚悟で、こどもたちを見守る立場に回った大人たちがとてもかっこいいなと思うのです。


第4話 素敵な若様、大暴走! 〜Dragon War Cry〜

「ちゃんと自分で責任がとれるようになってから、言いなさい!」
リュームが荷運びに使われていた召喚獣たちのたづなをほどいて、逃がしてしまったことから起こった大騒ぎ。自分は間違ってないとさけんだリュームに、フェアが告げたひとこと。
たとえば、成人していないこと。お金がないこと。社会的地位がないこと。どんな理由であれ、それらの不備によって、己の選択にともなう結果に責任をもてないのならば、まず、その選択をする権利自体がありはしない。たとえ正しいと信じての行動であったとしても、そのことが免罪符にはならないのだと。これって、理想論の強いサモンシリーズではわりと新しい視点ですよね。

ちょこっと話は脇にそれますが。
たとえ己と同じ種族でなくとも、身体的に似通った点が多く、高い知能を持っている、己と意思疎通ができる生き物。つまり理解しあう手段のある生き物を、たんなるモノとして消費することをためらうというのは、わりと自然な感覚のように思います。
そしてそれこそが、サモンシリーズにおいて、大切にされているテーマなんじゃないかな、と。
重要なのは、異世界の生き物であるかどうかということではなく、多少見かけが違おうとも、意思疎通できる異国の人間を蔑視し、奴隷として使うことに覚える違和感。
荷運びに使う馬があまりに酷使されていたら、痛い、苦しいという感覚のある生き物なんだから、もっと大事に扱ってやればいいのに、と思う憐れみ。
そこにあるのは高邁な理想でも正義でもなく、ただ、他者への強い共感。そういう感覚をもちあわせた人物だけが、サモンナイトシリーズの主人公たりうるのであって、だからこそ彼らの口にすることばは、感情的でつっこみどころ満載、ともすれば他人にも不利益を強いる、ある一面では身勝手さも秘めた考え方でもあるのだけれど、でも、この作品においてはそれでいいんだと思っています。

閑話休題。
リュームの召喚獣逃がしちゃったよ事件で、みんなに「言い過ぎだ!」「無責任だ!」と責められて、かんしゃくを起こして宿を飛び出しちゃったフェアに、自身もまだまだこどもなのに周囲に頼られ、何でもおまかせされてきたことで積もり積もってきた鬱屈が見えて、ああこれならたしかに、ほんとうは自分だって甘えたい、守ってもらいたいのにどうして、そう思いたくもなるよなあ、と……。
そのあと、リュームの言い分にどきっとしてつい必要以上に激高したことへの気まずさや、保護者なんてやめてやる宣言で傷ついただろうリュームへの申し訳なさ、自分で決めたことなのにその責任を放り出そうとした自分への情けなさやらでへこんでるフェアがまた。かわいいなあ、この子!

そして、本チャプター初登場のセイロン! なんですかこのひと! 私の直球ど真ん中ですよ!?
フェアには、うさんくさくてエラそうな変わりものと断じられた彼ですが。
前述の状況でとんがっている彼女のつっけんどんな物言いに怒るでもなく、毛を逆立てた子猫を相手に楽しんでいるかのような余裕っぷりが!
本当の貴人だけが持ちうる鷹揚さと、節々に表れる威厳、どんな状況をも好奇心を持って眺めることのできる度量にときめきます。あの見かけで武術の達人とか、もうね!

女の子ふたりのひそひそ話、「ねえねえ、あのひとって意外に、根は真面目なんじゃない?」
「うん、そうかも」 (中略) 「前言撤回…」 「右に同じ…」 にはちょっと笑いました。
いや、彼は別におちゃらけているわけではなく純粋に自分のやりたいようにやっているだけで、実際のところ、根は真面目なんだと思います(笑)


第5話 今はもう、戻れない場所 〜Bye-Bye Old HOME〜

人間への不信から御子を連れて出奔し、結果的に御子を危険にさらしたことへの自己嫌悪で自暴自棄になったアロエリのために、敢えて装ったセイロンの激昂と、夜会話にてその真意をあっさり看破してみせるフェア。
まだセイロンの人柄をそれほど知らない段階で、あれを彼なりの配慮だと感じられるというのは、彼女が他者の行動のなかに常に善意を見いだそうとしているってことだと思うんですが、どうでしょう。生い立ちからすれば他者の悪意にさらされたことだってあるはずなのに、思考回路がとても前向きで、いいなあ。

ところで、どうやらアロエリのことはグーで殴ったらしいですが、戦闘のモーションではいつもキックばかりの若。武具をつけてはいるものの、こぶしのほうはほぼ牽制や受け流しというイメージです。扇子をはさむ指とか、タコなんてなくてすごい綺麗なんですよきっと。ええ、夢見てますとも!

そうこうするうちに、家族はライ&ミルリーフで1週目をクリア。
EDはセイロン。がまんしきれず一番最後のキャラ別部分をちらりと見せてもらっちゃいました。が。
な、なんか…なんか…きゅーっと胸が。胸が痛むんですが。無邪気なライと若の諦観が……。 男主人公でこれじゃ、フェアだったらもうどんだけ切ないんですか、これ!!


第6〜7話

疑惑と不信の黒いヤツ、ということで。
デグレア組だのフラット年少組だったアルバくんだの、懐かしい名前が目白押しの今回。
若はさすがに武闘家らしくケガ慣れした風情で、負傷したアルバを看て、骨までイってしまっておるな、などと笑顔であっけらかんと言い放っていたわけですが。夜会話では、骨が砕けても気にせずストラで癒しながら修行していたとかいう過去話を、これまたいい笑顔で…。くそう、このストイックな努力家め!
まあフェアちゃんはフェアちゃんで、五歳にもならないうちから、剣一本で滝を切れ!とかむちゃくちゃな修行を父君にやらされていたようですが。いや、それ普通に無理ですから、お父さん。下手すると虐待ですよ?

そして、お魚探して秘密基地でグダグダ。
ミリィ可愛いよ可愛いよミリィ。


第8話 流れ三味線、はぐれ弾き 〜Strum a Blade〜

ボェエエエなシンゲンさん登場。
アルバに厄介ごとばかり抱えてつらくないかと聞かれて、そうでもないよ、へっちゃらだよと笑顔で強がってみせるフェアに胸キュンです(いつの言葉ですか)。
これまでずっとそうやって、つらい時もさびしい時も、うずくまってしまいたくなる気持ちを振り払って必死に走り続けてきたんだろうな、と思うと…。うわーん、だれか、だれかフェアを思い切りねこかわいがりして甘えさせてやって!!

店の経営会話では、実は料理の心得がある若に萌え。
「所変われば、品変わる。世界ごとにまた、料理の有り様も変わろう。だが、うまいものを食べたいという欲求は、万古不易のものだ。我は、それをわかってほしかったのだよ」
人間も龍人も亜人も、さまざまな差異はあれども、本質的な部分は変わりはしないのだ、と。こう読んだ私は深読みのしすぎですか。いやでも若ならこれくらいは!
しかし、厨房を貸せいとか無駄に凛々しく言い放つわ、さらには若の口から吠え面かくでないとかそんな俗な言い回しが出るとは夢にも思いませんでしたよ!(笑)

夜会話を聞くと、フェアの「御使いたちは身内」発言には、若もかなり思うところがあったようですが。
御子を守るためにフェアの人の良さを利用している、さらにはフェアが大切に思う人たちをも危険にさらしている、という自覚が、しっかりと若にはあるわけで。
フェアに好意を持ってもいるのだけれど、それとは別のところで、その彼女に厄災をもたらすこととなっても御使いとしての使命を果たす、もしも御子とフェアの二択を迫られることがあれば、フェアを切るという覚悟もすでに彼の中にはあって。
彼女が自分たちを身内とまで思って払ってくれている負担に見合うだけの誠意を返すことができないことへの心苦しさ、というか。

………ところで!
フェアの「珍しいよね、セイロンがわたしを呼び出すなんて」ってなにげに問題発言じゃないですか!?
まあ最初は私も、いつもはセイロンが月見でもしてるところにフェアがふらっとやってきてるみたいな感じなのが、今日は改まって声をかけてくるなんて、ってことかと思ってたんです。でも、ライのほうだと「珍しいよな、セイロンからオレを呼び出すなんてさ」となるらしいんですよ!! …………て、いつもはフェアからってことですか?

うわーんフェアちゃん、いくら相手が変わり者かつ誠実さでは追随する者のないセイロンとはいえ、夜中に男の人を呼び出したりしちゃ危険が危ないですよ! もっと年ごろの女の子だという自覚を持ってー!!


第9〜10話

御使いの長たるクラウレの合流と、その裏切りまで。
他の御使いふたりがクラウレの変節をまだ信じられない、信じたくないと思っているなかで、動揺を押し隠して冷静にアロエリへの疑惑を呈示してみせるセイロンとかもう、私を萌え殺す気ですね。 そしてその発言に対しての、長いつきあいのリシェルがとまどうほどのフェアのぶち切れっぷりには、かえって「わたしの知ってるセイロンはそんなひとじゃない」的な信頼を感じるわけですが。

信じて裏切られたときには、守るべき相手にも危難がふりかかる。そう心得ているからこそあえて、仲間を疑うという憎まれ役を買って出るセイロンと、セイロンにだってそんな辛いことはさせたくないから一緒に信じよう、その結果がどうなっても自分が絶対に守ってみせるから、と手を差し伸べるフェアと。
まあ、彼女は良い意味でも悪い意味でも理屈ではなく自分の感情に従って生きているわけで、信じたいし、信じられるから信じる! としか考えてはいないと思うのですけれども、後のシンゲンとのやり取りを含めると、結果的にそういうことになるんじゃないかと夢を見てみたり…。

最終的に、疑うのはやめておこうと言ったセイロンですが。それに伴うリスクを承知した上でうなずいたということは、フェアの選択を尊重し、その結果に己も責任を持とうという、お役目大事なセイロンにしてはなにげに破格の決断だったんじゃないかなと思うのです。

最近、セイロンが好きすぎて、かなりフィルターかかってるような、ぼんやりとした自覚が……くっ!


第11話 うつろなるもの、来たりしもの 〜Steely Blue〜

ポムニットさんの失踪もあり、話が錯綜して混乱してきました。

『こんかいわかったこと』
かくれざとは、じつはそらとぶようさいだった!(リビエル談)
クラウレはそれをつかってニンゲンにふくしゅうしようとしているんだ!(アロエリ談)

今回戦ったゲックさんも、「取り返しがつかなくなる前に(このままだとギアンが街を巻き込むような、もっと非道い手段に出るって話でしょうか)信じて竜の子を渡してくれ」とか言う前に、姫の本当の願いを説明してくれたほうがよっぽどフェアには効いた気もするんですがどうだろう。アロエリとリビエルは、狡猾で卑劣なやり方で先代を陥れた敵は、当然に何らかのよこしまな目的を抱いており、もし竜の子が彼らの手に落ちたなら無理矢理にそれに従わせられることになる、と信じているようですが。

自分は盟主の夢にひかれた同志+民を望まぬくびきから解き放つ手段があるのにそれを無視した先代が愚かだったとクラウレは主張してたわけで。………んんんん? この時点で、少なくともセイロンは、向こうの本当の目的が(何のためにそれを望んでいるのかはともかく)界を渡ることであり、クラウレが裏切ったのは、ラウスブルグの民を故郷に帰すためだとの見当がついてますよね、たぶん…?
セイロンとの10話の夜会話の時点では、クラウレの匂わせた本当の目的について、何をどういうふうにどこまで話そうか、迷っているような気配でしたが(そして結局フェアにさえぎられて何も言わせてもらえなかったわけですが)。

先代が城を動かすことをよしとしなかった真意がわからなくとも、セイロンにとっては、敬愛していた先代の遺志を尊重することと、その仇を討つことこそがすべてであって、たとえどんな正当な理由があろうとも結果的に先代を死に追いやった彼らと和解する気はない。だから、ここで自分の推測をつまびらかに説明して、相手に協力しても悪いことにはならないかもしれない、話し合う余地があるやもしれない、そうフェアたちに語る口は持たない。…と、いうことなのかなあ…? まあ、先代が協力を拒んだという事実でもって、何にせよ善い目的ではないはずだ、と思ってるのかもですが。でも、この回の夜会話でも、向こうも何かを守るために戦っているのかもしれない、だが、向こうの事情がどうあれ戦うだけだ、と明言してるしなあ。

セイロンは、いまのところ一度も、召喚獣を使役する人間たちを非難してないんですよね。
双方に言い分があり、その折り合いがつくことはないだろう、とどちらの陣営にも依らない客観的な見解を述べるだけで。
ラウスブルグの客分であり自らリィンバウムを訪れた彼には、ラウスブルグの民への格別な思い入れはないし、この世界で虐げられる召喚獣を哀れに思うことはあっても、我が身と重ねての憤りを覚えるわけではなく、その行動のすべては先代への恩義にのみ由来しているわけで。
こんな人が現御使い筆頭ってどうなんですか。いや、ある意味一番御使いらしいのか…?(笑)


第12話 キミの言葉が、悲しくて… 〜Smile over〜

家族のプレイで、「寄らないでよバケモノ!」から「全部あんたたちのせいじゃない!」を経て、「(自分たちの敵にまわるだなんて)あんたそれ本気で言ってるの、ポムニット」までのリシェルを見ていた時は、いやいや、ポムニットさんが出て行っちゃったのはお嬢さまに拒絶されたことが一番の原因だったわけで、ずっとひた隠しにしてきた半魔の正体を現してまでリシェルを守ろうとした、その彼女の手を自分で振り払っておいて、そりゃないですよとか思っていたわけですが。
リシェルの身になって話を追っていくと、彼女に非があったと言ってしまうと厳しすぎる、というか。ごくごく普通の感性をもった人間なら、とっさにああいう反応が出ちゃうのが当然かも、というか。
でも、そういう態度を取ってしまったなら、去られてしまうのも無理のない話であって、いかに戻ってきてほしいと望む気持ちがあっても、やっぱり一度口にしてしまった言葉をなかったことにはできないわけで、そうするとあとはもう、相手が、誰しもが持ち合わせている人間の弱さというやつを許容してくれるかどうかというところにしか落としどころはないわけですよね…。

初登場のカサス。……耳、あの耳をもふもふしたい!!
きっと分厚くてふかふかの毛がみっしり生えてて握りがいがあって…!
彼のすべてが、ネコ科に弱い自分のこころをくすぐります。しかし、彼の言動はどうもサモン3の先生とかぶっているような気がしますね。いや、だからなんだというわけでもなく、カサスさんは大好きですが。

サブのアカネ忍団は楽しかったです。
リュームとフェアって同じ部屋の二段ベッドで寝てるっぽいですね。
昔は、ここでエリカとフェアが寝てたんでしょうか。想像すると、いろいろと切ないな…。
夜寝ているところをたたき起こされたってシチュエーションだったので、画面上は普段着でしたがほんとうはみなさん寝間着だったりなんかして、各自いろいろと微妙な気持ちになってたりしたらいいな、なんて…!
上着脱いで黒シャツとズボンのみのセイロンとか。単衣が着崩れてるシンゲンとか。思いっきり子供向けパジャマな店主とか(笑)
セイロン、娘の顔を蹴り潰すところだったとさわやかに詫びてましたが。11話のサブでもユエル相手に、そなたは女なのだから身なりに気を遣わなければもったいないぞとか、何げに何というか、女殺しですか?
まとめ買い発言に呆然としてるのをシンゲンに慰められてるところとか、もうときめきが止まりません。

本筋に戻りまして、姫も初登場!
和解したがっている人間勢と飛びかかる気まんまんの御使いたちのギャップがこの時点でもありありと。


第13話 思い願うこと、貫くこと 〜Several Cross-Point〜

がまん強くて意地っ張りで、人を頼ることをそもそも選択肢として思いつけない、そういうふうにならざるを得なかったフェアが死んだ母親を慕って泉のほとりにたたずむあたりとかもう不憫でならないんですが。なまじ一人でがんばれてしまったからこそ、さらに周りに頼られるという悪循環。いや、ほんとに、誰か彼女を甘えさせてやってくださいってば。

グルメおじいさんのところで思い出のシチューを提出。家族の思い出がほとんどないフェアが憧れをこめて作ったお母さんの味とかもう、もうね!

この13話でテイラーさんとの絆たる宿屋評価イベントも最終回。
おとこまえパフェって、実はオーナー甘味好きですか。材料ストックしてご来店お待ちしてますよ!

おまえを認めざるを得まい、今までつらくあたってすまなかったとの言葉に、ここまでこれたのはオーナーのおかげ、甘やかさないでいてくれたことを感謝してるとのフェアちゃん。
グラッドの夜会話(だって今回御使いが選択できなかったんだ…!)で、フェア父が過去の悪行からこの街では相当恨まれていること、そのために旅立たざるを得なかったところもあると思う、との話があったんですが。彼女と父親を同一視してきたのはなにもテイラーさんばかりじゃなく、他の街のひとたちも同じだったと思うので…年端も行かない子供がたった一人で生きていくにあたって、金銭面はもちろん、おそらくはきつかっただろう周囲の風当たりやその他もろもろの問題においても、なんだかんだ言ってテイラーさんがある程度フェアを守ってきてくれたんだろうなと思います。
子供のすこやかな成長には、あなたがどんな子供でも愛しているという無条件の受容と、愛されたくば己がそれにふさわしい人間となりなさいという条件付の認容の両方が必要なんだそうですが。
テイラーさんは、フェアに生きていけるだけの庇護を与えると同時に、親としての役割の二つ目のほうを果たしてきてくれたわけですよね。本当の父親よりもよっぽど父親らし……ゲフンゲフン。

ところで、召喚獣の泊まれる宿屋の話で思ったんですが、帝国でのはぐれ認定ってどうやってるんだろう。召喚主と別行動することだってあるだろうから、一人で歩いてる=はぐれっていうわけにもいかないだろうし。不動産みたいに登記があるのか、それとも、遺失届と照合して認定するのか。御使いたちなんかは厳密な意味でのはぐれじゃないわけですけど、まさか所有者不明ならとりあえず国の所有物→研究所送り、とかないですよね…? あれ、竜の子がそういう扱いでした?

草原にてクラウレと遭遇。
城の本来の存在目的についてセイロンならば知っていよう、とか先代の相談役として遇されていた男、とかもうどうしようってくらいささいなフレーズでときめいています。末期です。
しかし私の勘違いでなければ、城の住人が反乱を起こしたのは、ラウスブルグが界の狭間を飛べる船だという事実を知ったからですよね…? それだけの騒ぎになったのに残る御使い二人が知らないって…? ま、まあいいか。


第14話 来訪者たち、彼方より 〜No Reply〜

私的名台詞をふたつほどピックアップ。

「もしも、そのせいで世界の理がどうにかなっちまったならその時は、オレが責任をもって、絶対なんとかするから!」
赤ちゃん竜だったリュームが、自分自身で決断し、その責任を取ると口にする日が来ようとは…セイロンならずとも感慨で胸がいっぱいです。しかしセイロンはあれですね、くそがつくほど(失礼)生真面目で責任感が強くて、一人でえんえん考えて考えて考えすぎて、ドツボにはまっちゃうタイプなんですね…。

「ちょっと拒絶されたくらいで、あっさりとあきらめないの! なんとかしたいならもっと必死になってしがみつくのッ! おとなしいだけじゃ世の中、渡っちゃいけないんだからね!?」
も、ものすごい実感こもってます、ね…?
姫さまとモフモフさんとメイドさんによる宿屋訪問。
姫と若をまとめて怒鳴りとばすフェアちゃんがたいそう男前で素敵です。その勢いに押されて後ずさる二人がかわいい…!

不平等であることは、不遇であること以上に耐え難い。
まったく望みがないのならばあきらめがついても、選ばれた者だけが救われると知れば、選ばれざる者の嘆きはなお深くなる。誰が救われるべきで、誰が見捨てられてよいのかなどを決める権利は誰にもなく、それでもなお己が救う相手を選ぶこと、その決断に伴う怨嗟を背負うこと、それが若い貴方にできるのか。
リュームにそう問いかけたセイロンは、選び、切り捨てることができなかったからこそ先代は船を動かすことを禁忌と定め、秘したのだろうと推測していましたが。
結局のところ、どうなんでしょう。これに限って言えば、先代がというよりは、むしろセイロン自身がそういう考え方をする人なんだなあという感じがしました。中途半端な救いの手など偽善に過ぎず、かえって残酷なものなのだ、と。
セイロンの言ったほかに禁忌の理由を考えるなら、不用意に道を開くことで、万が一にも界を渡る方法が存在することを人間に知られることのないように、という配慮もあったでしょうし。古妖精のいない状態で、かなわぬ希望だけを持たせることの残酷さを思ったのかもしれませんが。

ところで、ぶちきれフェアちゃんが、先代はどうしてタマゴと一緒に逃げずに自殺することを選んだのかという疑問を呈していましたが、それに答えられる人は誰もおらず…。
あれほど先代を敬愛していたんだから、セイロンはもうちょっとあきらめ悪く思いなおすように粘ったり真意を問い詰めたって許されたと思うんですが。以前に彼自身がレンドラーやゲックの気持ちがわかるともらしていましたが、理由もわからぬままにひたすら忠義を尽くす振る舞いはたしかに彼らと似通っていて。
心酔していたからこそその判断に異論を挟めなかったのはわかるんですが、先代に死んでほしくないと一番強く思っていたのもセイロンだったろうに、なんというか彼は、ものわかりが良すぎるというか、極端に自分の望みを押し殺しすぎなんじゃないかなあと。まあそんな使命一途で融通が利かせられなくて葛藤している彼も好きなんですけども。ううーん。

夜会話では、常にセイロンという個人ではなく御使いの長代理としての立場でものを見、意見を言わねばならないことへの重圧をぽろりともらしてくれますが。
自分をひどいヤツだと思っているのではないか、という問いかけは、そのまま、セイロン自身が自分をそう思っていることの表れなわけで。普段は弱みの影も見せずに泰然とかまえている彼が、それをフェアにもらしてしまうほどに参りかけてるのかなあと。それだけ、本来のセイロンが情の深い人なんだってことだとも思いますが。


第15話 朽ちてゆく、世界の中で… 〜Black Sick with Snow〜

番外編をはさみ、ついに黒い雪が降ってきた今回。
物語そのものとは関わりのないところなんですが、声優さんたちの卓越した演技力を改めて実感。特に最初のリシェルとグラッドが倒れるあたりでは背筋がざわっと…。
どちらの選択肢にせよ、いま自分は取り返しのつかない道を選ぼうとしてるんじゃないかというフェアの怯えや追い詰められた気持ちが身に迫ってきて、選択のボタンをなかなか押せなかったくらいで。

自分を信じてくれた人たちの思いを裏切るやりかたで、ただ楽なほうへ逃げ出そうとしてるだけなんじゃないのか、とか。反対に、独りよがりな自己満足のために、大切で大好きな人たちを死なせてしまうかもしれない、とか。
大切な人たちの命を秤にかけてさえ気持ちをねじ伏せることができない心根と、喪失の恐怖にとうとう心が折れてしまう弱さと、その両方がフェアのなかでせめぎあっているのが感じられて、だから彼女がどの道を選んでも、話の筋としては納得できる出来だったかな、と。
それによる結末も、どんなに考えて、理屈で自分を納得させようとしても、結局感情が従ってくれないのがフェアのフェアたる所以で。どの選択肢においても、結局それは変わらなかったということで、よかったんじゃないかと。

で、そんな彼女の選択に合わせて立ち位置が変わりまくったセイロンですが。
14話の夜会話の時点で、どんなに辛くとも最後まで御使いとしての立場を貫き通す。それが道をたがえた友への誠意であり、己の覚悟だ、と告げていた彼ですけれども。
ああもうなんでこの人はこういう方向性に思い詰めちゃうかなー!
彼の選択が一番明確に出てたのが、竜の子を渡す→渡すと選んだときだったと思うのですが…どうあっても御子を救えない以上、御使いとしての死を選ぶというのが、つまりセイロンの出した結論だったのかな、と。
最初のシンゲンとの立ち合いでも、セイロン自身、自分の言っていることの理不尽さを理解していて、アロエリたちには自分と同じ選択肢を選んではいけないなんて遺言めいた言葉を吐いて、すでに斬られる気まんまんですよ。
シンゲンはシンゲンで、仲間を救いたいという思いとは別に、けして折れることのできないセイロンの立場とそれに反した本心との葛藤を察していて、その上で彼の望む落とし前をつけてやるために喧嘩を吹っかけたのかなあと。であれば、現実が見えていてなお誇りを捨てられない、どうしようもない馬鹿なひとだとの苛立ちはあっても、セイロンを憎む気持ちはないわけで。……って、そう考えるとほんと困った大人だなこの人たち。

ともあれ、自分の主張は仲間に死ねと言っているに等しいもので、セイロン自身そんな道は選びたくないと思っているのに、それでも自分が竜の子を見捨てるという選択をすることは決して許されない。仲間を殺すことなく己が己であるためには、離反者として殺されるしかない、と思いつめた結果が、ああなったんじゃないかと。
シンゲンやギアンはもちろん、例えフェアに殺されても本望。その結果がどれほどフェアの心に傷を負わせるかももう考えられないほど、もしくはわかっていてもそうせざるを得なかったほど追いつめられていたと。

で、渡す→渡さないを選んだときのセイロンのいまいちわかりにくい演説は、以下のような意味だったんじゃないかなーと私は解釈しました。
「自分だけでも御子を守ってみせる」と言いながらも(渡す→渡さないの場合は、その台詞直前にフェアが翻意したために出てこなくなった台詞ですが)すでにそれは建前であって、リュームを守ることはもうできないと、セイロン自身あきらめ、納得してたんだと思うんですね。(家族には、助けるつもりもないのに、自分の満足のためだけに御子のためだとか言って死なれるとかひどい話だよねとか突っ込まれました。そんな、真実をさっくりと……)
それでも、フェアはすべてを守るために、やはり渡さないという道を選ぶ、と言ったわけで。
セイロンが、リュームを救うことができない以上、自分のしようとしていること(単騎不意打ち)は単なる自己満足であって、フェアや御子の心を無為に傷つけるだけの行為ではないのかと迷っていたのが、いや、そんな犬死にすることを前提に悩む前に、ほんのわずかな可能性であろうと、御子を守るために力の限り戦う覚悟をすべきだったのだという意味で、迷いが消えたって言ったんじゃないかと…。
その先にあるのが誰一人欠けることのない最良の未来であるか、それとも最悪の結末へ続くのかはわからないけれど、フェアが覚悟を決めたのなら、その思いに自分も賭けてみよう。仲間の死、でなければ御子の犠牲、という二択を前提にするのではなく。第三の道が本当に存在しないのか、それを確かめるために全力であがいてやろう、それもしないうちから出した答えなんて答えではない、と。

最後に、最初から渡さないを選ぶ場合はですねー……
御使いとリュームの信頼を裏切れない、納得できない答えを選ぶことができない、っていうフェアはロンフェア的にはいい!と思うんですが…… セイロンやシンゲンや先生の言うことが、ちょっと……微妙……。
セイロンは、誰もリュームを犠牲にしたいと思ってるわけじゃない、気持ちは同じだ、とかいきなり言い切っちゃうせいで、先に書いた、セイロンの諦めがフェアの意志を見て戦い抜く覚悟に変わるまでの変遷が、この流れだと見えにくい上に……フェアの選択に我ら御使いも力を貸そう、とか、いやいや当事者のあなたたちがそれじゃダメでしょー!?って感じですし。メインメンバーが寝込んでて、他にその台詞を言える立場の人がいないっていう制作者的事情はわかるんですが…。
シンゲンはシンゲンで、御主人なら約束を破ることなんてできないって言うと思ってました。だから、自分がセイロンを斬ってでも、リュームを渡すという方向に無理矢理持っていって、仲間を死なせるという結末から御主人を救いたかった、とか。待て待て、十中八九仲間を死なせることになると思っているはずなのに、じゃあがんばって戦いましょう!って妥協していいのかー!? ……まあ、フェアが仲間が死ぬかもしれないことを承知の上でそっちを選んだからには、これ以上自分一人が非協力的な態度を取っても仕方がない、ごくわずかな可能性であっても、ギアンに術を解かせて全員で救われるために全力を尽くしましょう、というのをごくごく遠回しに言ったってことだと思いたいんですが。
そして先生。もしかして、みんな最初からギアンと戦うつもりで…?って聞いたフェアに、試すようなことをしてすまなかった、とか……いや、「渡すこととなっても仕方ないと思う気持ちの一方で、フェアの気持ち次第では自分たちにも戦う覚悟はあった、だから、自分の選択にそんなに怯えなくて良いんだ」って言ってるんだと思いたいんですが。これも。
なにも考えずにぱっと聞いた感じじゃ、最初のセイロンとシンゲンの立ち合いとか、そこに止めに入って、選ぶのは君だとか言った台詞とか、全部フェアの覚悟のほどを試すための茶番劇だったって言ってるのかと誤解されちゃいそうじゃないですか。ねえ。言い方に気をつけてくださいよ! ほんと!!

まあ、つまり、多分、ギアンルートのフラグでもある「渡す」→「渡さない」が正規ルートであって、だから最初から「渡さない」にした時の流れにゆがみが出てるんだろうなと……。そういうことで……。はあ。



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